恋した人は、妹の代わりに死んでくれと言った。
」のレビュー

恋した人は、妹の代わりに死んでくれと言った。

永野水貴/とよた瑣織

ついに7巻

ネタバレ
2025年5月3日
このレビューはネタバレを含みます▼ 他の方も書いていらっしゃるように、ロイドとイレーネの再会やブライトへの断罪があるのかなど、期待していた展開へは全く進みません。
しかし、随所に今後が楽しみになる伏線が貼られていて、夜勤明けだというのに二周目を読み進めております。
この巻の見所は、私的には「わたしたち」の話かなと思います。選ばれた女性が未明の地に行かされるという道徳も何もない制度が、あの世界ではどの国でも遵守すべき法律であり、人身御供になった人とその家族のことを、何も顧ないで進んでいく世の中。本当に何も感じていない人々の価値観に得も言われぬ気持ちの悪さを感じてしまいます。なので、ただ研究材料として楽しそうに話すジェレマイアを好きになれません。
私自身深い共感型タイプなので、ニュースなどに心を痛め過ぎてしまうきらいがあるのですが、犠牲になった一人一人にそれぞれの物語があったんだということが、イレーネ同様に深く心に刺さるものがありました。さらにこれから新たに番人に選ばれた女性とその周囲の抗う動きを匂わせています。これからのイレーネにとっての闘いは、そこに焦点を当てることになるのか、いう期待があります。「ただ一人生還した者として」というイレーネの責任感の強さが凄いと思うと同時に、早くロイド来てー止めてあげてーとヤキモキしてしまいます。
しかしその前に...。ついにやつが...!これは期待通り!でしょうか。8巻が待ちきれない。
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