凪のお暇
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凪のお暇

コナリミサト

空気を読んでるではなく顔色を窺ってるだけ

ネタバレ
2025年5月3日
このレビューはネタバレを含みます▼ 心機一転の明るく楽しい再生ドラマ……なのかと思って読み始めたけど、違った……全然違った……。
元カレがひどすぎるわけですが(個人的に食べ物に対して「貧乏くさい」って言う人は一発アウト)、それをバシーンと跳ね退けて楽しくおひとりライフをしてくれるのかと思って読み進めても、いつまでたっても元カレは執着してくるし主人公は別の男にハマっちゃうしで、期待してた「開き直って元気に人生やり直し」にならなかった。
無料になっていた4巻まで読みましたが、ずっと……なんだろう、すごく不気味。元カレにも事情があるんだよ、ほんとは主人公のことが大好きなんだよ、っていう描かれ方をしていますが……「好きな子をいじめる」タイプにしてもやり過ぎだし、そもそもそういうタイプは滅びろって思っているので、陰で泣いてたり執着してくるのが本当に怖い。話し合いが足りないとかそんなレベルの問題じゃない。
主人公も男二人も「自分」が無い感じで、ある意味似た者同士でお似合いなのかもしれないな、とは思います。
しかし、そんな病み系の登場人物達のところに、料理とか節約とかが挟み込まれてきたり「前向きに進んでる」みたいな雰囲気を出してたり、ミスマッチ感と違和感がツラい。
そして、「空気を読む」という言葉が繰り返し出て来ますが……まあこの言葉を使う人って、空気読める人ではないと思っていて、それがものすごくよく現れているという点では上手い気がします。毒親育ちに発生しがちな「顔色を窺う」という、あくまで目先だけの自己防衛って感じです。作中で主人公と元カレ双方に毒親の存在も描かれていますし、毒親育ちの人間ドラマとして読むならそれはそれでいける……のか……?
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