アンダーマイスキン【単行本版(電子限定16P有償小冊子付)】
」のレビュー

アンダーマイスキン【単行本版(電子限定16P有償小冊子付)】

薄井いろは

強引にこじ開けられる隠し続けてきた自分

ネタバレ
2025年5月8日
このレビューはネタバレを含みます▼ 25歳の久遠武は、合コンで佐藤蓮と出逢います。自己紹介が終わり、喫煙所で二人になった時、佐藤は久遠にゲイなのかと尋ねてきます。バカにされたと思った久遠は飲み過ぎてしまい、気がつくとホテルの一室で佐藤に介抱されていました。帰ろうとする久遠に佐藤は、俺といたくて酒の力を借りたんじゃないのかと畳み掛けてきます。エリート風な見かけにそぐわないピアス穴、中途半端なタトゥーを施した久遠のアンバランスさと危なっかしさを佐藤がグイグイと暴いてゆくのでした。元々の性格に思春期の両親の不仲もあって、ガチガチに自分を縛りつけてきた久遠が、佐藤の手で解放されて素直に愛し愛されるようになってゆく過程が描かれます。独特の静けさと画力の高さとが相俟って、ハッピーエンドなのに不思議な物悲しさを醸し出しています。この作者様にしか描けない空気感かと思います。
いいねしたユーザ3人
レビューをシェアしよう!