このレビューはネタバレを含みます▼
BL小説の悪役令息に転生してしまったフィンと、主人公たちと一緒にフィンを断罪する当て馬騎士になる予定だったユエンのお話。
作者買いです。
異世界転生、悪役令息転生。
何番煎じか分からない程手垢の付いたテーマの作品でしたが、作者さんの手腕で読みやすい文章で楽しく読むことが出来ました。
通常このような転生ものは周囲、とくに両親などには転生した事実を隠す傾向にありますが、この作品の主人公フィンは真っ先に父に相談します。
そして父と一緒に断罪回避するべく、領地運営と飢饉回避のための農業改革を頑張ります。フィンの頑張る姿が好印象。
7歳の子供が領地運営とか、普通に考えて誰も任せてくれるはずがありません。
このあたりを親を巻き込むことで、現実的に可能な路線に持っていってくれていたのが良かったです。
主人公のフィンは成人男性(恐らく)から子供に転生したことで多少おっさん臭くなっている様子でしたがw、基本的に素直で一生懸命で可愛い。素直に応援したくなる性格でした。
ただ、常に断罪回避を念頭に行動している感じだったのに、いつの間にユエンのことを好きになっていたのかちょっと不明だったのは残念でした。
読んでいてユエンのことをとても頼りにしているし、信頼していることが伝わってはきていましたが、もう少し恋愛的にドキドキしてるよ~と分かるシーンが欲しかったかな。
一方ユエンは完全無欠のスパダリモード全開過ぎて本編中あまり好印象になるシーンは無かったかな。
が、書き下ろしにて童貞だったことをフィンにちょっと揶揄われるシーンは、彼を年相応の青年らしくしてくれていた気がします。
このシーンは結構好きでした。
BL小説上の主人公カップルもどうなることやら…な感じでしたがとりあえず良い感じに纏まり、子爵家の跡取り問題も上手い事収まりそうな感じでラストを迎えられたことも良かったなぁ。
とりあえずめでたしめでたしなラストでしたが、正直作者買いでなければ読まなかった作品かもしれません。
個人的にBLと異世界転生&悪役令息のコラボは相性が悪いです。大成功した作品を見たためしがありません。
いつか大成功した作品を読んでみたいです。