能美先輩の弁明
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能美先輩の弁明

大麦こあら

良すぎる

2025年5月24日
BLアワード総合1位ということで、読みました。そしたらびっくり。よ、よすぎる…!!こりゃ1位になります。エモが過ぎます。哲学ってもともと興味ある分野でしたが、こんなにもBLとの相性いいんですね。BLに哲学が混ざり合うと、なんだか崇高で尊くてお洒落な風味がグッと増す気がします。
タイトルも、初見は「なんだかかたいタイトルだな?」と思いましたが、哲学書「ソクラテスの弁明」からきているんですね。要所要所に出てくる哲学小ネタに、もっと哲学のことを知りたい欲が出てきます(そうしたらもっと能見先輩や瑛人のことを分かるような気がして)。

主人公の2人もすごく魅力的で、読めば読むほど惹かれる人物です。能見先輩は陽キャでチャラだけど、奥底に隠している自己肯定感の低さ、人生を善く生きたいと思っている純粋さと哲学への愛を持っていて、なんかバランスが絶妙。瑛人はゲイの自分自身を恥じることなく魂の片割れを探しているクールなイケメン、だけど中身は本当はちょっと嫉妬深かったりガキっぽかったりして可愛くて、これまたバランス感がすごく良い。

そんな2人ですが、お互い、相手を好きと自覚する前から、だいぶん相手への好きが表情やら行動やらから溢れ出ちゃってて、読者としては「うんうん、今ごろ気持ちに気づいたの〜?あなただいぶん前から気になってたよ?ダダ漏れだったよ?」てニヤリとしちゃいます🤭そういう、台詞ではなく表情とか描写からの気持ちの伝わりが自然でたくさんあるところが、この作品のエモさになっているのかな〜と思います。

美人あねさん女房の能見先輩と、ツンからのデレが激しい年下イケメンの瑛人。この素晴らしいカップルのその後のイチャラブをずーーっと見ていたいです。続編本当に楽しみです。
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