このレビューはネタバレを含みます▼
亡き母親が遺したダンススタジオで、晃介は8つ年上の会社員•淳と出逢います。生前の母親から淳くんという名前を聞いていた晃介は、淳に母親のことを訊いてみます。明るくて元気で……と楽しそうに語る淳に晃介は、きっと母のことが好きだったんだろうなと思うのでした。そしてダンスの発表会を手伝っている時、母親の好きだった曲がかかると淳が晃介をダンスに誘います。ちょっと寂しい愛の歌を淳のリードで踊った晃介は、かつて母親が生き生きと踊っていた時のデジャヴを体感するのでした。晃介の母親に憧れ、淡い初恋をしていた淳に、21歳で教師を目指す晃介が恋をします。教師を目指す事の不安や自信の無さを淳に聞いてもらううちに、「淳さんが好きだ」とはっきりと告げる晃介の素直さ、若さが眩しいです。大人ゆえに様々にリスクを慮る淳も、白分のことよりも晃介の将来を考えます。職業を選ぶこと、恋をする相手を選ぶこと、様々な選択を重ねて大人の自由と責任を学んでゆく晃介の成長譚にもなっているロマンティックお話です。