日に流れて橋に行く
」のレビュー

日に流れて橋に行く

日高ショーコ

今一番続刊を待ってる作品

ネタバレ
2025年6月9日
このレビューはネタバレを含みます▼ この頃の日本にとっての産業革命期のような時期を敏感に感じ取りながら、傾きかけた実家の呉服店をどうにかしようと奮闘する虎三郎と彼を援助する玲司(金持ちそうだが虎三郎以外の人にとっては正体不明)の関係と、百貨店らの発展を軸にありとあらゆる産業が爆発するように弾け変化し、文化や人々の暮らしに影響を与えていく様子が克明に描かれています。人が意欲を持って生きる糧はなんなのか、がテーマのひとつなのかなと思いながら読んでます。登場人物は多いですが、誰一人として単なる脇役はいない、という印象です。
それでいて冗長にも散漫にもならず「もっと知りたい」「次がどうなるのか見たい」と思わせる展開と見せ方。人物についてはじっくり丁寧に、筋運びはスピーディーに、という緩急具合が素晴らしく、すっかり感情を鷲掴みされてます。こりゃぁ長くなりそうだが離れられんなぁ…という感じです。

一見地味に見えましたがフィクションとリアリティの融合が見事で時代特有の風習や知識が自然にわかる描写も満載、しかも市井の人々のリアルな表情やできたばかりの百貨店の華やかな画…どこをとっても目が覚めるような迫力で日高先生ほんとうにタイムスリップして描いて戻ってこられた?!と感じてしまうほどです。
男性キャラも女性キャラも皆美形です。イケオジも粋なマダムも数多く出演!玲司ファン多そう(^^)私は千鶴が好き(^^)

紙書籍で集めてます。8巻くらいまで出たところで書店に行ったらどこの店舗にも4巻まで在庫がなく出版社からの取り寄せ、5巻6巻は在庫有りだが他店舗からの取り寄せになると言われ、けっこう待ちました。
今は紙書籍で欲しいと思ったら早目に決断しないといけない時代なんだな、と。
時代の変化の速さがこの作品と呼応しているようでもあり、益々目が離せません。
11巻は本当に涙出ました。牛島さん〜(ToT)
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