私たちはどうかしている
」のレビュー

私たちはどうかしている

安藤なつみ

悪役の女将に同情した

ネタバレ
2025年6月13日
このレビューはネタバレを含みます▼ 本編だけ読みました。
ある意味面白い、昼ドラタイプの話。
私は正妻至上主義なので、主人公の出自が微妙です。けど、物語中で自分の立場とかを振り返ることとかもあるだろうか、と思いながら読み続けましたが、最後まで「主人公が正義」って感じの話運びでした。
悪役として活躍した女将の今日子さん、人生狂わされちゃってかわいそう……ひどいこともたくさんしたけれど、そもそも彼女を狂わせたのは、夫と、その初恋相手とやらの主人公の母親じゃない?
結婚っていうのは一種の契約で、先に契約違反をしたのは夫の方。夫が善き夫となる覚悟を決めて結婚していれば、女将はあんなふうにならずに済んだのではないかと思ってしまう。結婚までの経緯がどうであれ、最終的に結婚という契約に同意した以上、「正妻」という立場は尊重されねばならないと思うのです。それを踏みにじられて、あそこまで狂ってしまった今日子という女性は、ある意味純粋だったのではないかな、と。
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