能美先輩の弁明
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能美先輩の弁明

大麦こあら

迷ってるなら読んで欲しい作品

ネタバレ
2025年7月3日
このレビューはネタバレを含みます▼ 表紙の美しさと試し読みの数ページで感じられる絵の繊細さに惹かれて購入させて頂きました!

顔のいい生意気な後輩と勉強は出来るのにクズ気質の先輩という正反対の2人の大学生のお話です。2人とも哲学を学んでいて、出会いは教授の開いた読書会でした。ゲイを公言している後輩は自分の魂の片割れを探しているという強い信念を抱いており、はっきりとした性格で、先輩は出来のいい兄が居る点から自己肯定感が低いのもポイントで(兄弟仲は問題ない)何事にも本気になれない?自信が無いという感じでした。のらりくらり生きているように見えて内側では色々悩みを抱え込んでいる所がまた堪らなかったです。傍から見たらあのふたりは仲良いの?悪いの?というように見えるのに、実際はふたりの世界を楽しんでいて他なんて見えないんです。ひとつになりたいという場面では「愛は一つになりたいという願いである」というプラトンの名言を彷彿とさせることが出来、作者様のこだわりを感じることが出来ました♪ 長くなってしまいましたが、最後まで中身たっぷりな作品で何度でも、ふとした時に読み返したくなる一作なので是非読んで頂きたいです。
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