このレビューはネタバレを含みます▼
昔、紙本で買い、電子版をみつけ懐かしいやら嬉しいやら。 作品に登場するスマホの型を見れば時の流れを感じますし、顔面も流行りがあるのか、皆様お顔が濃いぃ。
このシリーズで一番好きなお話で、良い作品は時を経ても良かったです。 外科医の狩野と有名デザイン事務所No.2の綿貫は恋人同士。 綿貫が狩野に対して、そりゃあもう献身的で感動もの。 その気持ちが嬉しいくせに、素直になれない狩野の、臆病で過度な拗らせ方が可愛い。 綿貫は、実は旧家の跡取り息子。 と来れば良家の子女との見合い、結婚の流れになるんです。 その現実を突きつけられ知ってしまた狩野。 本当は別れたくない、すごく好きだから。 元々、普通に女子と付き合っていた綿貫。 自分とは違う道をと、愛していればこそ突き放します。 でもね、綿貫の愛を侮ってはいけないよ。 若さの暴走ではなく、分別ある３１歳男の決断はとてつもない。 家を捨て、狩野の所ヘ堂々と結婚の意思を伝えに向かいます。 目出度く同居を始めた二人の｢おかえり、ただいま｣がグッときます。 平凡でありきたりな日常の挨拶ですが、それを言えるまでの二人の葛藤、苦しみを知っている一読者だから。 この温かい挨拶を一生涯繰り出していくのかと思えば、おばちゃんはあの頃と同じ感動を再度、しみじみ堪能しましたわよ。 できうれば、蓮川先生の｢恋愛操作｣の電子版を、是非ともシーモアさんで。 古いけれど、すんごく良い作品、お話なんですから！
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