はだける怪物
」のレビュー

はだける怪物

おげれつたなか

通常版上巻とこちら特装版がある

ネタバレ
2025年7月13日
このレビューはネタバレを含みます▼ こちらも、他サイトで読んでいたが、販促きっかけに書いておく。
シリーズの要だけど、出版は一番後。下巻が一番あとではあるが。
はだける怪物シリーズだけど、なぜかシーモアでは通常版上巻がグルーピングされており、こちらは入っていない。
こちらは上下巻だけで、はだける怪物シリーズになっている。

「錆びた夜でも恋は囁く」「恋愛ルビの正しいふりかた」の次に出ているけれど、話の時間的には遡っている部分がある。過去を思い出したり、過去の林田と弓の関係が出てくる。
林田と弓の幸せからどん底になったときの話と、現在の林田と付き合っている秀那が大阪出向になり、林田のかつての恋人である弓と会う話。基本は、現在の話。

林田(かんちゃん)を本当に好きだった思い、林田がまた笑えるようになったと知り、嬉しくも自分にはできなかったと後悔とないまぜになった弓の話。
弓には真山がいる。だから、幸せではある。真山はちょっとしか出てこないけれど。
たぶん、弓も過去を拭い去れていなかったので、本当の意味で決別できたということだろう。
ある意味で、林田と弓は共依存的だった。

秀那は複雑な思いを持つが、林田が好きだと、離したくない、支えたいと確信でき、林田の思いも同じだと思えたことだろう。悩みに悩んで紆余曲折して今に収まる。
現在の秀那と林田の話で始まり、終わる。

下巻に公園で、秀那の手をとる林田のシーンがあるんだけど、上巻の最後で弓の手をとってはいけないと思いながら手をとる林田のシーンがあって、心境と意味がまるで違うことがわかる。同じシーンにするってとこが凄い。

シリーズを通して、時間軸は交差するので、是非に3作読んで欲しい。
エチはありますが、なんかそういうことじゃない話。

とにかく、おげれつ先生って凄いなって思う。
人の感情の機微、関係性がリアルだ。
読み終わって呆けた作品でもある。
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