このレビューはネタバレを含みます▼
刃物による流血シーンがすごく苦手なのだが、この作品については痛いー、と思いながらも目をそらすことなく読めた。
謎の悪夢、次第に明らかになる事実、ハラハラの展開で続きが気になりあっという間に４冊読了。
絵は体のバランスが整っている点は安心して見ていられた。脇役たちの顔がちゃんと描き分けられていたのにも好感が持てた。ただ、このぱっきりくっきりした線の感じが微妙に好みではなくて(といっても最近こういう線の作品多いけど、デジタルのせいなのか？)、アナログの雑味というか、不揃い感のようなものがもう少しあるほうが好き。この整いすぎた線のせいか、濡れ場は体の密着具合とかは好きだし、体そのものはいい厚みでうまく描かれているのに、あとほんのすこし艶が足りないと思った。浅野が派手にあんあん喘がない点はよかったけれど。
あと、些細なことだけど、２巻P152の篠原の表情に違和感。あそこで、三コマも使ってあの"間"を作る必要あったかな？他の人はどう思ったの聞いてみたい。
浅野のキャラは好き。頭がよくてきりっとしてて、大人の色気があって、男を誘惑するときも変に媚びた感じがなくて堂々としている。３巻のスーツ着たまま玄関で、のシーンとかなかなかよかった。
結果的に浅野と篠原が、深くお互いを求め合うようになる心の変化が、私にはちょっと唐突に感じたのだが、４巻のドラマティックな別れ(別れという言い方は正しくないかもだけど)を演出するためにはお互い本気になってないとお話にならないわけで、わかるんだけど、もう少し気持ちの変化をうまく見せてくれたらもっとよかったと思う。
なお、正直なところ私は浅野と篠原のイチャイチャより、浅野とデビッドのいちゃこらのほうが好きなのだが、二人の過去話をもっと読みたいな～。浅野とデビッドすごくいいのになー、なんで別れちゃったのかな～。
ところで、巻末に収録されているコメディなショートストーリーのノリにいまいち乗りきれず(笑)サスペンスとしての展開が非常によくできているから、おまけの話とはいえ、残念な気持ちに。息抜きにはいいのかな。
いろいろ書いたがサスペンス展開はおもしろかったので、とにかく続きがほしいーーー！！
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