午後の光線
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午後の光線

南寝

事前情報なしで読むことをおすすめします!

ネタバレ
2025年7月26日
このレビューはネタバレを含みます▼ 村瀬は人との会話は苦手ですが、見えている世界はとても美しくて、さらにそれを表現する術を持っています。村瀬の孤独や憧れが美しい言葉で綴られるのを読むと心が揺さぶられました。
そんな村瀬との出会いは、淀井にとってどんなものだったでしょうか。淀井の根底にある悲しさ、寂しさ、そのどれも私たち皆が心の奥底に抱いているもののような気がします。そんな淀井にとって、村瀬という存在がどんなに眩しく温かいものとなったか、淀井の身になって想像してしまいます。しかし、さいごの瞬間に淀井が何を思ったのかは推し量りようもありません。
合唱コンクールでのスピーチは同級生たちの心にも、読者の心にも、もし聞こえていたなら淀井の心にも、永遠に残り続けるかもしれません。
この作品に出会えたことを心から感謝します。
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