ねかせないで
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ねかせないで

町屋はとこ

渡のギャップにやられた

ネタバレ
2025年7月28日
このレビューはネタバレを含みます▼ 作家買い。
町屋先生は長編も短編もどちらもいいですね。
こちら同じパン屋を舞台に3カップルの恋物語が繰り広げられるオムニバスです。
それぞれとっても美味しそうなパンが、恋する2人の元にいいタイミングで出てきます。

1話目
めっちゃ可愛いDKのお話。登場するパンはオレンジデニッシュ&メロンパン。男の子たちもパンもあま~い!

2話目
会社の先輩に片思いするお話。実は先輩も無自覚ながら恋をしてる両片思いです。勘違いから嫉妬するところとかキュンキュンです。ピリ辛マスタードのサンドが、2人の切なさを表すピッタリのアイテムとなってます。

3話目
パン屋の店主渡(わたり)は、おちゃらけて見えるけど1話目も2話目も何だかんだキューピッド役になってるし世話焼きの優しい人。3話目はこの渡さんと京吾の話。
この京吾やや難ありで、30過ぎてプー、飽きっぽく怠け者、渡から離れたり戻ったりの自由人。それでも渡は京吾を恋人と思い続けており、6年ぶりに戻ってきた京吾を呆れるほど優しく迎え入れる。風呂に入れ髭を剃り寝かせ食事をさせ…あと4時間しか寝られない状況で迷いなく京吾のリクエストしたパンを3時間かけて作ろうとまでする。そんな彼だから初めての時強引に奪ったという話がちょっとショックではあった。高校生の熱は抑えられなかったか。それが負い目で世話を焼いている節もあるのか。でも一番は本当に好きなんだろうなあ。京吾が息苦しくならないように、京吾を安心させられる男になれるように、長年それだけを思って同じ場所で恋人を待ち続けて。渡の涙に私も泣かされました。
2人の思い出のパンはコッペパンピーナッツバター。京吾がリクエストしたのもそれ。優しく懐かしい味に涙する京吾も、渡は誰より特別な存在なのだと確信した。
うーんよかった。やっぱり3話目が一番ずっしりきました。

お約束だけど今めちゃくちゃパンが食べたい。
家には市販の食パンしかないよ〜😓
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