サマー・ボーイ・ブルー
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サマー・ボーイ・ブルー

遠野みやこ

愛する才能

ネタバレ
2025年8月1日
このレビューはネタバレを含みます▼ あろうことか…同性愛に理解のない母親に未成年同士のイチャイチャを見られ、好きなのに離れざるを得なくなった2人の再生物語。
人が人を好きになれる奇跡、誰かを愛せることの素晴らしさを、家族や友人との間に生じる葛藤と共に描いた名作なのではないかと思います。

ミチルや潤のように愛する能力のある人間が愛を止めた時、人は地獄を見るのかもしれない。
リアル世界を基準に考えて、国内人口1億2000万。その中でたった1人を見つけられるだけではなく、相思相愛である確率はどれほど奇跡的なことなのかわかるかい…そういったわけでどうか2人を見守ってあげて…と、何かといえば「わたしがいないと何もできないくせに!」と家庭内権力を振りかざす潤の母親につい懇願したくなる切ない展開が目白押しでした。
倫理観全無視で突っ走れなどと無茶を言うつもりはありません…けれども傷ついたミチルから一度も目を逸らさなかった潤を見てもなお2人の仲を引き裂こうとしたらどうしようかと思いましたが、そこはなんとかなりそうでホッとしました。
覚悟を決めた2人のエチはすごく尊いです。異物感で具合が悪くなるなんて正直なところを描いたら作品として盛り上がらないかもしれないのに、逆に一生懸命さが表れていてとてもよかった。2人の物語に忠実に、キラキラを盛らずに描き切った先生に敬意を表したい。
とりあえず潤のお母さんは、息子を信じて子離れすることから始めましょうか。←なんか違うレビューになってる

そしてボイコミのCVがえらいことになっています…
野島健児(潤)と河西健吾(ミチル)。確かに素敵な作品だけれども、やけに力が入っていませんか??
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