やたもも
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やたもも

はらだ

満を持して

ネタバレ
2025年8月4日
このレビューはネタバレを含みます▼ 長い間お気に入りに入れっぱなしだった作品です。
他のはらだ作品を読み始めてもどうしてもポチる勇気が出ず、セールを何度も見送ったやたもも。
今回の値引きでようやく気持ちが固まり読みました。

………………。
こここれは想像以上にキタ。
最高に痛くて最高に温かい話だった。振り子の振れ幅過去一でした。
特に2巻3巻モモの母親が登場してからは涙なしには読めず。キツいシーンは心臓バクバクして目を背けたくなった。八田がいてくれなかったら私も耐えられなかった。これは心を麻痺させなきゃ生きていけるわけない。そう思うとモモの張り付いたような笑顔が悲し過ぎて…。

でもあの母親も、心の底ではモモを愛していたんだよね。
1巻の最初からモモのろくでなしな生活ぶりに驚かされたけど、彼が最低最悪な人物にはならなかったのは、小さい頃母親に抱きしめられた瞬間を覚えていたからでは。母の柔らかさと温かさが伝わるあのカット。ちびモモの可愛いこと!八田ちゃんはじめ好きな人に見せる笑顔は、きっとあの頃のままなんじゃないかなあ。八田ちゃん可愛い可愛い言うし(笑)
モブのクズ男3人にひどい扱いを受けた時、それまではこれが性に合うと流してきたのを「すげえ悲しくなってきた」と思えたモモは絶対幸せになれると確信した。麻痺が解け始めたモモを見て安堵の気持ちが流れ込んできました。
八田には感謝してもしきれない気持ちでいたので口を噤んでいるつもりだったんだけどね…彼の容赦ないセ、、についてはちょっとどうかなと思っていたんですよ。でもさっきも言ったけどそれを上回るいい人なんでね、これは野暮な意見か。スルーする案件だな。と自分を納得させていたんだけど、栗田の本を読んだ八田が自ら問うた時モモが、八田ちゃんはいい奴過ぎるからむしろそれくらい欠点ないと付き合いづらいと言ってくれたおかげで気持ちが軽くなりました。モモがいいならいいのヨ。

この作品に対する思いは1000文字じゃ利かないです。特に歪んだ須田への思いも書きたかった。ちなみに私須田好きです。お隣さんの栗田くんも大好き。ホームレスのおっちゃんも。
痛くて切なくて優しくて、涙あり笑いあり、心が揺さぶられ続けた全3巻でした。
はらだワールド全開のこれは間違いなく至高の作品です!!
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