スロウモーニング
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スロウモーニング

カジス

高校時代の両片想いが成就する一途なお話

ネタバレ
2025年8月4日
このレビューはネタバレを含みます▼ 東京で就職して3年目の川上夏生は、引っ越した先で隣室からの騒音に悩まされます。思わず壁ドンすると、音が止んで玄関チャイムが鳴ります。一度見かけたタトゥーバリバリの恐ろしげな人物を想定して出ると、そこにいたのは高校時代の親友で片想いの相手だった高山壱成でした。壱成は卒業式の帰りに夏生に告って、そのまま上京してしまいそれっきりになっていたのでした。実は夏生も壱成のことが好きだったのですが、伝えるタイミングを失って、宙ぶらりんな気持ちのまま6年もの歳月が経っていたのでした。思いがけない再会を経て、二人はお互いの気持ちを確かめ合います。けれども地方の大学を卒業して上京、広告代理店で営業として働く夏生と、高卒で東京に出てきてバイトをしながら好きな音楽で食べてゆけるようになった壱成とは、生活時間帯から働き方、仕事に対する考え方など全てが正反対で、夏生にはそれが次第にストレスとなってくるのでした。6年ぶりの再会を起点に、高校時代の過去と社会人となった現在とが描かれる恋物語は、DKの心のまま大人になった二人のピュアさに和まされます。初めての時に感極まって涙を流す壱成の表情がとても良きでした。
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