后宮のオメガ
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后宮のオメガ

露久ふみ

二人の恋の情感が堪能できる

ネタバレ
2025年8月7日
このレビューはネタバレを含みます▼ 2巻のその後が読みたい!と気になっていた作品の続編が出て、すごく嬉しいです。3巻もすごく良かったです!
Ωというだけで蔑まれる国で育ったイリヤが、大国ハヌに政略結婚として送られたけど、ハヌの王ハーリドに愛され、共に国を愛して支え合って生きていく話。全てを諦めてたイリヤだけど、心根の優しさや肩の力が抜けた素の美しさが冒頭から際立って感じられ、まだ少年だけど王としての資質を備えたハーリドがそんなイリヤに心惹かれ、照れながらも真剣に愛を語り、妃としてそばにいて欲しいと語るシーンは、イリヤの心を動かしたように、こちらの心にも響いてきました。この時小さな少年王と交わした約束と、ハーリドが望んだ国を守りたいという思いが支えになって、イリヤに生きる力を与えて強くさせ、その後の困難な中で民を守るための行動も、再会した時の喜びや、王位への尽力も、全てハーリドへの愛から来ているのが感じられて、終始熱いトキメキを感じさせてくれる作品。この、出会った時に生まれた小さな恋が、その後の全てを作る力になるというロマンチックさと、そして互いを求めながらも共に生きられるまで長く引き離される切ない情感とが作品全体にずっと漂っていて、それに酔いながらキュンとして読める作品。イリヤの幻想的なΩの美しさと、ハーリドの真っ直ぐで王者らしい清らかさが、二人の純粋な恋をより際立たせていて、その恋情が読んでいて心地好いです。
3巻は、イリヤが捨てられたと思っていた故国で、思わぬ愛情に包まれる話で、感動的な一冊。ハーリドの揺るぎない愛情に支えられてる安心感も堪能出来ます。
話の面白さ、キャラの良さ、美しさ、恋のトキメキ、全てが感じられるオススメの作品!まだ続きが読みたい好きな作品です。
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