特級αの愛したΩ
」のレビュー

特級αの愛したΩ

神波アユミ

続編切望です!

ネタバレ
2025年8月8日
このレビューはネタバレを含みます▼ 初読み作家さんです。独特の雰囲気と間の取り方が、作者の世界へぐーっと引き入れてくれる、読ませてくれる、素敵なお話でした。試し読み部分はあらすじの通り。特級αの礼くんを特別視・特別扱いしないで自然体でいる司くんの、なんとも言えない柔らかで穏やかな時間でした。司くんがオメガだと判った後も、きっとこのまま時間をかけて二人の関係は続いていくんだろう──そう思っていたのに‥
性被害者の苦しみが胸に突き刺さりました。礼くんと再会できなかったら司くんはどうなってしまったのか‥自分を責め続けながら生きていたのか‥忘れられない恐怖と悪夢の日々を送ったのか‥悲しすぎます。泣けます。
礼くんが内緒で行った行為にはちょっと怖さというか違和感を感じましたが、彼なりに、人に触れられる恐怖と闘いながらも妊娠の可能性にかける司くんへの思いやりなんだろうと思うと、なんでこの二人がこんな辛い人生を歩まねばならなかったのかと苦しかったです。
やっと取り戻した穏やかな日々。司くんが礼くんに心許していくのは、奪われ失われてしまったあの美術室での時間の続きを取り戻したようで涙が出ました。二人が一緒になれて本当によかったです。
紹介表紙の帯に「赤ちゃん‥欲しかったな」とあって、これがずっと気になっていたので、この二人とそして新しい命の続きを是非とも読みたい、切望する一冊になりました。

司くんを貶めた元凶を美和子ちゃんがガツッン!とやっつけたのは爽快でした。
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