灯台守とかもめの子
」のレビュー

灯台守とかもめの子

吾妻香夜

2巻時点で控えめに言って最高

ネタバレ
2025年8月13日
このレビューはネタバレを含みます▼ 別作品のレビューでも書きましたが、ほんっっとうに構成力がすごい!映画をみているような、物語にぼっとうして、読み終わった後の多幸感。

絵も言わずもがな。年齢も骨格や筋肉がどうなるかで描かれているので成長もわかりやすく、食事をする、歌をうたう、夜の海、ぜんぶその動きや表情をふくめて情感ゆたかで表現力もさすがです。

ストーリとしては、灯台守のエヴァンがカモメを助けたら、なぜか翌日羽が生えた子どもになっていて、子育てしつつ自分にも変化がありながら、幼年期、少年期をみまもる1巻。青年になって恋心を自覚したカモメのルネが、失敗しながらもエヴァンという1人の人を大切にいつくしむ2巻。
2人の過去や3巻への導入もふくめて、気になるところで終わってる2巻ですが、全4巻予定みたいです。

話中にサンタ・ルチアをうたうシーンがあるので、イタリアですかね。
漁師町でおおらかだけど、海辺だからこそ教会の中でも海神信仰もあってという舞台と、灯台守という仕事、海とカモメの関係、2巻終わりあたりで出てくる時代がわかるものいくつか。たぶん時代背景や資料とか、すごく調べられてるんだろうなーと思います。
気になるのは島の名前の由来。小道具としてでてくる時計も、今後どう使われるのかも期待。

親愛なるジーンへのような切々となるかんじなのかなと思っていたら、桜田先輩よりはライトだけどコミカルな表現も多くて、緩急いいテンポで描かれているので、しっかりとしたストーリでも読みやすくて続きが楽しみです。
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