このレビューはネタバレを含みます▼
書家の若菜藤とバーの店長・朝見升麻のお話。もっぱら昼間に家で仕事をする藤と、夜の仕事で毎日朝帰りの升麻という生活リズムが真逆な二人は、出逢ってから11年、一緒に暮らし始めて2ヶ月経ちます。付き合い始めたのは升麻が高3、藤が高1の時です。でも、先に卒業して東京に進学した翔麻から一方的に別れを切り出されて、一時期藤は升麻の連絡先さえわからなかったのでした。物静かで寡黙な藤と、明るいムードメーカーな升麻との、現在と並行して、二人の出逢いから始まるあれやこれやが綴られます。それはそのまま二人の成長譚にもなっています。DKの時の「好き」の気持ちがそのままで大人になった二人の何気ない日常に癒されました。