妊娠したら死にたくなった~産褥期精神病~(分冊版)
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妊娠したら死にたくなった~産褥期精神病~(分冊版)

橘ちなつ

悪い言い方をすると結婚詐欺

2025年8月28日
妊活する前からワガママで自分勝手な性格はチラチラ見えている。漫画家という特殊な仕事が更に主人公の精神問題をうまく隠して旦那さんと結婚してしまったんだなとマイナスな面が目立ちます。そこに育んだ愛があっても隠し事があれば詐欺と捉えられかねない。旦那さんが決して主人公を無碍にしない良い人なのが、余計に、こんなの托卵女子だの結婚詐欺だの言われてもおかしくないのでは...?とひたすら気の毒になりました。産後鬱の話ではないです。この話は自分が精神障害者だと気付けず人生成形していくことの恐ろしさを伝える話だと思います。気付けないことで自分も他人も巻き込み、迷惑をかける。なかなか気付くタイミングもかかる病院がないのも現実だと思う。まさか自分が、なんて思いたくない気持ちが勝つのは人間だから当たり前。自分は普通だよね?異常じゃないよね?と疑う葛藤、絶望、自分の人格を医療従事者に否定される辛さなど伝わってくる。が、それは主人公が病気だから過剰な妄想も入っていないか?とも感じる。自己防衛のため精神病棟を悪者にしているのも患者の症状の一つです。そういうお話ですから医療従事者の方が怒る必要はないと思う。あくまで「患者側」の主観のお話なのです。
他のレビューにあるように服薬を勝手に止めるのがありえないし、夫と親族と子供が被害者と感じる。どうして自分だけと癇癪を起こす主人公を見て自分が欲しがって作ったんだろ!とイライラします。自分勝手です。普通のお母さんになれない徴候は最初からあった。描写されてるということは作者さんも自覚があったのでしょう。
こんな未来にするつもりじゃなかった、けど予測なんかできない。だから間違った選択をし、自分も周りも傷付けながらも手探りで生きていかなければならない。そんな人生は確かにある。そういうお話です。スカッとする系の漫画ではなくノンフィクションなので頻繁に広告に上がるのはやめてほしいと思うコメントに賛同します。人を選びすぎます...。
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