このレビューはネタバレを含みます▼
遊び人のゲイの大学生・津田義広は、教育実習先で美少年・成田くんと出逢います。頭が良くて大人びていて、ちょっと斜に構えた成田くんは他の先生には反抗的な態度をとりますが、津田にはだんだん懐いてきて何だかんだと絡んでくるようになります。そして津田の後をつけて行きつけのゲイバーを知ると、バラされたくなければ言うことことをきけと軽く脅してくるのでした。酒、煙草、麻雀を嗜む大学生の津田の子供っぽさと、好きな人になんとかして追いつきたい中学生・成田くんの精一杯の背伸びとの対比が、時にコミカルに時にシリアスに描かれます。中学3年生の成田くんの青さと痛さは残酷に本人を傷つけるのですが、照れたり傷ついたり怒ったりの成田くんの豊で繊細な表情が素晴らしいです。別れは決して恋の終わりではないという大人のファンタジーを楽しめました。