拈華を待っていた 【電子限定特典付き】
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拈華を待っていた 【電子限定特典付き】

吾瀬わぎもこ

忘れることは出来なくても半分こには出来る

ネタバレ
2025年8月31日
このレビューはネタバレを含みます▼ アフターグロウが神作品で、わぎもこ先生の作品は全部持っています。
今作、コミック化されるのを心待ちにしておりました!幼馴染の羣司を殉職で失った唯真✕羣司の後輩刑事田鍋のお話です。
お互い過ごした年月は違えども人生で交わった人を失った悲しみが交差する物語の作りが秀逸でした。
心と心が呼びあった感覚で、お互いがお互いを必要としていく感情が欲望が苦悩と共にあって心が揺さぶられました。行間を読む作品でした。

そして、エチシーンではコマ割りからはみ出る手や足が立体的で迫力満点!!心と身体のぶつかり合いが「溶かす」って表現がしっくりいく描写で大変素晴らしかった。

大切な大好きな人を失って泣けずにいた唯真だけど、大人になると誰しも泣けずにいます。
泣けたのは唯真がちきんと自分自身の気持ちと向き合ったからだと思えました。自分の中にずっと隠し続けていた思いを田鍋に吐き出せて、半分こにしてもらえたからだと思う。大人になると誰しも過去にトラウマや忘れたくても忘れられないことってあるよね。忘れることはできなくても、半分こには出来ます、2人が一緒ならば。
そうやって自分の心を引き受けてくれる相手と出会えてホントに良かったと思う。
出会えて本当に良かったねっていうBLの真髄をしっかり抑えています。

唯真と田邊こと篤智には明かりが見えます!これから2人で手を取り合って、悲しみも幸せも全部全部半分こにして生きて欲しい!!
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