オリヴィア嬢は愛されると死ぬ ~旦那様、ちょっとこっち見すぎですわ~(コミック)
紺染幸/DSマイル/野宮けい
このレビューはネタバレを含みます▼
ジャンルにラブコメってありました。
ヒロインとヒーロー、彼らと過ごす使用人たちとの会話劇の運びはコメディタッチではありますが、コメディらしく仕上がるにつけ、切なさが増していく。
コメディってホント切ない。
呪われた家系の花嫁として12月の満月に死ぬために100枚の金貨と引き換えに自分を売った没落令嬢のヒロイン、オリヴィア。
物語の冒頭、「この可愛い生き物はなんだ」というヒーローのひと言でわずか半年、命を賭けた期間限定の愛することをめぐる攻防戦が始まります。
困窮する家族のために身売りに来たオリヴィアと主家の後継が断たれることを阻止するために主のために犠牲となってくれる一人目の花嫁として彼女を求めた使用人たちとの出会いは娼館の門の前。
呪いのもとは先々代当主の妻だったカミラ。
政略結婚だった夫が真実の愛に走り、愛人との間に子を儲けたことで、愛されなかったカミラは、夫の愛した女性が死ぬ呪い(ただし後添えの女性は対象外)をかけて自ら命を絶ち、男性からは、恐ろしい悪女として語り継がれていくことになるのですが、カミラは本当に恐ろしい悪女だったのでしょうか?
ヒーローのクラースは呪いのために女性が死ぬことがないように物心つく頃から女性と関わらず、書に生きることを決めた心優しく思慮のある男性。オリヴィアにひと目で恋に落ちますが、彼女を死なさないよう、愛さないように努力することを誓います。
愛され死ぬのが仕事のオリヴィアは愛されるよう努力することを誓い、2人の結婚生活が始まります。
オリヴィアもクラースも自分以外の人間を大切にできる素敵な2人でお似合いです。
主人思いの使用人も基本的に善良な人たちとして描かれています。
果たして呪いは解けるのか、オリヴィアとクラースの幸せな未来はあるのか、物語の続きが待たれます。
最後に、男性視点では悪女のカミラですが女性の視点で見ると悪いのは浮気した夫の方で一方的に悪者扱いされるのどうなのかしらと個人的には思うので書いておきます。
カミラさんにも救済をお願いします。
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