拒まない男 【電子限定特典付き】
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拒まない男 【電子限定特典付き】

三月えみ

一度読めば絶対に読み返したくなる神作品!

ネタバレ
2025年9月11日
このレビューはネタバレを含みます▼ たくさん張り巡らされた伏線を一度ならず二度三度と回収していくスタイルの、一度読めば絶対に再び読み返したくなる神作品!

探偵の黒瀬と、ホテルコンシェルジュでありながら黒瀬の助手を務めている「りっちゃん」こと白石律を中心に、予測不可能なストーリーが展開されていきます。

この「りっちゃん」がとてもミステリアスかつ魅力的な人物で、容姿端麗で客の要望とあらば「絶対に拒まない男」超有能コンシェルジュなのです。
その彼がなぜ探偵助手をしているのか、なぜ簡単に黒瀬に靡いたのか、その謎はけっこう早いうちに明らかになります。

しかーし、それで終わりとならないのが、三月えみ先生のストーリーテラーぶりで。
そこから更にどんでん返しがあり、読み終えたら最初からもう一度読み返したくなること間違いなし!

黒瀬とりっちゃんが互いに「表の顔」を剥がし本音でぶつかり合い、互いに救済し合う場面は感動しっぱなしで涙なしでは読めません。

りっちゃんにとって黒瀬は人生をリスタートさせてくれた救世主であり、黒瀬にとってもりっちゃんは大きな救いの存在で、二人の運命的な結び付きが最高潮に尊いです。
更に、この作品では根っからの悪人がおらず、りっちゃんの父親がああなってしまったことの理由もちゃんと説明があるし、情に流されないことが信条だったあの人も結局は情に流されているしで、読後の心地良さが最高です。

二転三転する予測不可能な面白さ、優しさと思いやりに包まれたストーリー、黒瀬とりっちゃんの濃厚なラブシーンと、見どころがたくさんある、まさに神作品!
購入を迷っている方には自信を持ってオススメできます。

追記※『金色のいつか』

待ちに待っていた続編!

りっちゃんと黒瀬も登場しますが、主人公はりっちゃんの同級生山吹富。

冒頭からショッキングな場面が連続します。
富に群がる卑劣な男たちにも、それを拒みきれない富にも苛立つ最低な状況で。

富がそうなってしまった原因は、またもやあの人でした…

しかーし、これで終わらないのが、さすが三月先生。

1巻の最後で「ええ!?」と驚く展開が!

今後富が、ダイナミックに救済されていくサインをビシバシ感じます。

前半は辛い場面が多いですが、今後大きなカタルシスがきっとあるはずなので、途中で躊躇された方には「そこでやめるのはもったいない!」と声を大にして言いたいです!
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