残酷な神が支配する
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残酷な神が支配する

萩尾望都

崩壊と再生の物語

2015年2月24日
義父から性的ぎゃくたいを受けていた主人公ジェルミが人格やセクシャリティに破綻を起こし、もがき苦しみながらも義兄(加害者の息子)であるイアンとの関係を築くなかで、再生へと向かうという話。
性的ぎゃくたいや、同性愛がテーマとなっていて読んでいて辛くなる事が多い。というか、全編を通して、読み進めるのが苦痛な程、重苦しい雰囲気。が、それだけ後に残る印象は強烈。子どもって、どうして最低な親でも愛そうとするのかな…愛されたいというより、母を守りたいというジェルミの母親への想いが切なく、痛々しかった。
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