君と宇宙を歩くために
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君と宇宙を歩くために

泥ノ田犬彦

たくさんの人に読んで欲しい

2025年9月15日
平成のあの頃の空気感が味わえます。

宇野くんも大和くんも、今現在ならその苦しみに名前が付けられた子たちだと思います。でもほんの少し前までは、そういった子たちも大勢に混ざって自分で何とか乗り越えるしかなかった。その時代背景がこのストーリーにより一層、切なさや苦しさ、温かさや勇気を与えているように感じます。

大人になった今、そう言えば自分にもそんな不安で息苦しい気持ちがあったなと、思い出して考えさせられる人も多いんじゃないかなと思いました。

一見正反対の2人が実は似た息苦しさを抱えていて、それにどう向き合い、生きていくかを手探りで見つけていく。宇野くんのひたむきな努力も素晴らしいし、大和くんの素直な吸収力も素敵。互いに補いあって前に進む2人の関係性に涙が出てしまいます。

お姉ちゃんと宇野くんの関係性もまた涙してしまう。正義感の強いお姉ちゃん。ギャルになった優しいお姉ちゃん。素敵な姉弟です。朔ちゃんの主人公2人への詰め寄り方は、なかなかリアルです。
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