にいちゃん
」のレビュー

にいちゃん

はらだ

テーマは重いがさっぱりとした読了感

ネタバレ
2025年9月16日
このレビューはネタバレを含みます▼ 具合が悪くなる闇BLとして紹介されているのをみてびくびくしながら読んだのですが
想像よりずっと読みやすく、完全なハッピーと言えなくとも、望んだ幸せを得ているのでハッピーエンドだと思います。
最後のモヤッと感?闇の雰囲気も関係性が認められにくいというのは同性愛の時点であるあるで
そこに加害者と被害者という第三者の視点が入ってるだけだと私は思います。
ゆいくんの言う通り、切り捨てちゃえば2人にとって幸せな箱庭ができるのかなと。まあ、まいこちゃんという理解者もいるし健全な精神で2人は過ごせるのではないでしょうかね。

主題となる小児性愛についても気持ち悪い感じはしなかったです。
おじさんとにいちゃん、にいちゃんとゆいくん、どちらにしても被害者が一方的に消費されてる訳では無いからだと思います。
被害者側が幸か不幸か加害者を大好きだからですね(個人的に萌えポイントです)
にいちゃんがゆいくんにしたことは客観的には可哀想ですが、自分を肯定して欲しいという願望はいじらしいです。なによりゆいくんが気にしてないし、ゆいくん自体同じ経験者ということを利用してにいちゃんを繋ぎ止めてるし痛々しくなくてサッパリしてるなあと思います。

おじさんが何故にいちゃんに手を出したのか、深堀されてないしなんなら今幸せそうなところついては、全ての元凶の割ににいちゃんゆいくんまいこちゃんの苦悩に比べてのうのうと生きてて釈然としないと感じる人もいるかと。
おじさんの現状はにいちゃん的にはショックなことでしたが、ゆいくんの元に戻ってくるきっかけになったという点では運命的な展開で黄昏の腐女子的に大満足です。

また、檸檬を本屋においてくれば治るんじゃない?というセリフはにいちゃんとゆいくんの考え方の違いを如実に表しているようで個人的に大好きです。
にいちゃんにわだかまってる爆弾(檸檬)なんて本屋において一種のスパイスにしちゃえばいいじゃないのマインド(他人にキス見せつけるし)良きですねえ…
まいこちゃんとですが学生組が冷めた、よく言えば偏見のなく世界を見てて大人がごちゃごちゃうるさい構図が世の中や彼らを取り巻く環境をありありと伝えてきているように感じます。

小児性愛やリバが地雷じゃなければ是非読んで欲しいです。

あと気に入ってCDも聞きました!解釈があっていて漫画と合わせて楽しめたのでこちらもおすすめです!
いいねしたユーザ2人
レビューをシェアしよう!