宇田川町で待っててよ。
」のレビュー

宇田川町で待っててよ。

秀良子

言葉にできないこと

2025年9月23日
黄味がかった濃ピンクに宇田川町のワード、ブロンドを甘やかすような手…想像を掻き立てる表紙です
もえぎ色の先には相手を見透かす瞳のアグレッシブな貴婦人がいました…白テン(純潔と節制の象徴とか)と豊穣の果実やらを載せたビッグハット、緑と紫の三角ビキニ、着こなすのは、彼か彼女か…
ルネサンスとかポップアートとか、先人達の美意識を飲み込んで生まれたような存在感です
…執着した目線で始まるモノローグは自分のドキュメンタリーのよう…見事に百瀬にシンクロします…
日本の学校=所得格差を感じさせない為の平等主義、に所属しているからこそ、八代が直感で感じた違和感、こわさ…言語化できない直感で掴んだモノを、思考し続けるプロセスの尊さ…澱みない「好き」を伝える無敵の百瀬の存在に信用と安心を得て、自分らしさを見つけていく……それらを受け入れる「宇田川町」というコミュニティ
あぁもう、とてつもなく美しいストーリーでした
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