妊娠したら死にたくなった~産褥期精神病~(分冊版)
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妊娠したら死にたくなった~産褥期精神病~(分冊版)

橘ちなつ

今ある知識だけで人を判断してはいけない

ネタバレ
2025年10月3日
このレビューはネタバレを含みます▼ ちゃんと最後まで読むべき作品です。
「知らない」人と「知ってる」人に分かれる作品です。
読んでいて途中イライラする気持ちも分かりますが、
私は読み続ける事をおすすめします。

私は今二人目妊娠中です。
「個人差がある」という一言では表せないくらい
妊娠や出産って人それぞれだし体の中でとんでもないことが起きてるんですよね。
これだけ情報過多な時代でも
誤解や自分にあった事例はでてこなかったりする。
もっと周産期の女性のことについて理解してよ!!といつも思っています。

主人公ほどではないですが、
私も周産期は気が狂ったように色んな物が嫌になります。
ご飯やオジサンの匂いが死ぬほどムリ。泣きたくなるくらい。なのにそれを言うと面倒くさいやつと思われる。
電車で席を譲ってほしくて吐きそうになりながら優先席を見つめても、「妊婦様」だと思って譲らない人。
幻覚は見えなくても、今までと世界が違く見えるママさんは少なくないと思います。
主人公が全てを人のせいにしてるように見える時がありますが、弱ると本当にそう見えるんですよね。
なんでこうしてくれないんだろうって。

妊婦に限らず、「幼稚だから」「病は気から」なんて評価する人は世の中に沢山いますが
先生と一緒で、真実を知らない人に限って、
自分がが正しいと思って失礼なことを言ってしまう人が多いと思います。

そういう人は無知なことに自覚がないのだと、
気付くこともできました。
自分も失礼なことを言わないように、
気を付けたいと思います。

まわりから安産、順調と言われた私です、
信じられないほどホルモンに苦しめられたのを
思い出すだけで涙がでます。
子育てよりもホルモンが辛いですよね。

症状に共感できない方も
健康な身体に感謝して、よりよく生きていこうと
感じることはできるのではないでしょうか。

死にたくなる、死んでほしくなる。
そんな思いを抱いて苦しくなってるママさん達が
少しでも早く穏やかに過ごせるように。。
この漫画を通じて私もそう強く感じました。
世の中理解してくれる人は意外といてくれるし、
はやくその事に気付いて支え合えますように。

世の中の理解と治療が、はやくすすみますように。
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