あなたの愛など要りません
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あなたの愛など要りません

冬馬亮/ありおか

2巻購入は是か非か

ネタバレ
2025年10月22日
このレビューはネタバレを含みます▼ コミカライズでの主人公の夫のあまりに理不尽な仕打ちに、
ラノベの方も2巻のサイドストーリー的な補足の部分まで読み終えました。

巻き戻り前の一度目の人生で、主人公も報われない人生だったけれど、
息子「ランスロット」の不幸は胸が痛くなるほどの状況でした。
コミカライズでは詳細に表現はされませんでしたが、
1回目では息子を甘やかした乳母を解雇してしまうのですが、
巻き戻った2回目で乳母の面談をした時、「ランスロット」の従者としてその息子たちを、
教育係としてその夫を雇い入れ、これからの子育てを万全なものとしようとした主人公に、
不覚にも涙してしまいました。
そう、沢山の協力者の手があれば、憂いは減るだろう事が想像できたから・・・かな。

大筋のストーリーは、ラノベ1巻分で終わり、2巻は、その時々の状況を詳しく紐解いたお話で
新しい事は何も無く、物語への興味も急速に萎みつつありました。

夫「ヘンドリック」の情緒の欠けた部分は、死んだ後の白の世界でも、
物語で語られる〝心のヒビ〟が埋まることは無く時間だけが過ぎていました。
が、あることがきっかけで、特別な感情を抱いた相手が次に生まれ変わる時まで、
自分もヒビを埋める努力を白の世界でしてみたいと
この物語で本当に初めて前向きな思いを彼が抱くのです。

ラノベ1巻の本編では、2回目の人生でも「ヘンドリック」の氷のような心は
本人の気づきも無く幕を下ろしてしまい、
お話が完結しても何かスッキリしないものが残りましたが、
2巻での最後の部分を読み終えて、やっと腑に落ちたような気持ちになりました。
2巻を購入して少し後悔していましたが、
最終的にはよかったように思います。
この部分をコミカライズではどう表現されるのか、とても興味があります。
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