伊図透作品集
」のレビュー

伊図透作品集

伊図透

「短編集」より「習作集」であるような

ネタバレ
2025年10月24日
このレビューはネタバレを含みます▼ 243ページ。
これは、自分が読みたい「短編集」ではありませんでした。中立の星3。
一応、ひとつひとつは独立した話ではありますが、各話の登場人物が、同じ名前だったり、見た目は同じだけど少し変えてあったり、どこかつながっているようなつながっていないような、という……かと言って意図的につなげたオムニバスでもなく、言うなれば「習作集」という印象です。物語もキャラクターも、短篇の中で完結させるつもりが無いというか、探りながら描いているというか……。実際に、ここに載っている話をブラッシュアップして連載作を描いており、この本はその連載作の成り立ちを見たい場合のオマケ集という位置に収まってしまっているように思います。
鮮やかに独立した読切作品が大好きなタイプなので、この本は「なんか違う」感。
ただ、初期作品を読むことは、作者さんの思考の方向を判断するという目的もあり、その目的は果たせました。
社会的な問題を絡めるのは嫌いじゃないですが、思考の方向性は合わなさそうと判断しました。
いいねしたユーザ2人
レビューをシェアしよう!