このレビューはネタバレを含みます▼
物語の性格上おそらく嵐ちゃんは最終的に南須とくっつきそうだけど、個人的には栢くんとくっついて欲しい…
栢くんの心情がよく分かるので、つい栢くんに肩入れしてしまう。
脱衣所で栢くんが嵐ちゃんを襲いかける場面があるけど、私が栢くんの立場だったら計画的に物置に行って、嵐ちゃんへの恨みと南須への嫌がらせ半々&想いを遂げる半々で、半ば強引に嵐ちゃんを襲ってしまうと思う。
でも痛めつけたくはないので慈しむ様に抱くと思うし、嵐ちゃんも恐怖で怯えながらも感触でそれが分かる。
栢くんはそれまでの過酷な人生から「一度裏切った奴はまた裏切る」「俺を傷付ける奴は俺も傷付けていい」と学んでいる事は明白で、それを言われたら南須くんに靡いた嵐ちゃんはその罪悪感から栢くんに何をされても受け入れてしまうだろうし。
そして事後に「ごめんね、さよならおねーちゃん」とだけ言い残して二度と戻らぬつもりで家出する(もう生きてる意味ない、死んでもいいや位に思ってる)だろうな…などと妄想が捗ります。
また、かつての知り合いに消息を問われた栢くんの「夢見てた」の答えは本当に秀逸で、嵐ちゃんと居た期間は幸せ過ぎて夢の中に居た様であり、現実と本来の自分に戻った今は夢から覚めた様な気分、というのは私も経験あるので凄く良く分かる。
この物語はメンヘラ栢くんと陰キャ嵐ちゃんの成長譚でもあると思うので、同情と傷の舐め合いと共依存から始まったこの二人が結ばれるハピエンという形ではないだろうと予測しつつも、愛情を渇望する栢くんが望む幸せを迎えて欲しいと切に願う。
さすがに9巻ともなってきてまで、自分の気持も分析出来ない嵐ちゃんが右往左往したり後先考えず流されたり、自己陶酔型犠牲的思考パターンとどっちつかず過ぎる行動にはうんざりしてきた。
南須は当て馬チョイ役で、あくまで栢くん嵐ちゃんの二人の気持のやり取りがメインの話として進めて欲しかったな。
でもクライマックスがまだ先なら今後もふらふら三角関係は続きそう。
薄い味噌汁を延々飲まされてる感じ。
ここまで引っ張ってグダグダした末に聞き分けのいい弟になった栢くんとか南須とくっつくエンドとか見たくないなあ。
最終巻出るまで放置しようかな…