祝福のチェスカ
」のレビュー

祝福のチェスカ

乃原美隆

自分の理屈回路に合わなかった

ネタバレ
2025年10月31日
このレビューはネタバレを含みます▼ 金曜のYOMUOSHIに入っていたので、1話を読んでみました。
言語系に興味があるので楽しそう、と思ったんですけれども、言語系がネックになっていまいち楽しめませんでした。中立の星3。
以下、覚書。

国によって言語が違うのはわかる、しかし、「カバル語」が「共通語」という設定なのに、学園の中枢に位置する王族の人物がその「カバル語」を理解していない、という設定があまりにも理解できない。
そして、従属国の王族がその「カバル語」を理解していないのも、長い隷属の歴史があるならちょっと違和感……。ってか、学園に入学する時点で、共通語もっと勉強して来なさいよ。
それをしていない時点で、王族たる気概が欠けているように思うし、メタ的に考えると、そのあたりの気概が足りないキャラクター作りだと「政治的な思惑」系の物語展開も自分の期待するカッコよさは期待できないな、と判断。
あと、超能力を持つものと持たないもので分かれているんですけど、この能力の有無って人種的なものなのかとか、だとしたらハーフの子供はどうなるのかとか、なんかこういろいろと理屈の回路が自分の中でつながらない。「神」に与えられた「祝福」としての超能力、という設定であるから、宗教的な魔法力なのかとも思うけれども、超能力を持つ「異教徒」も存在していてなんかもうどういうことなんだか。
……とか思いながら読んでたら、いきなり言語の壁も魔力の壁も全部崩されてもうポカーンって……。
いろいろかなり考えて設定を作っているとは思いますが、その「作者の考え」が、物語世界やキャラクターの成立にまでは行き渡っていない印象で、「作者さんはがんばって考えているんだな」で読んでいるこちらの意識が止まってしまい、キャラクターの思考にまで入り込めませんでした。
いいねしたユーザ4人
レビューをシェアしよう!