東京心中
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東京心中

トウテムポール

読まなきゃ損する!第一印象を覆す神作品

ネタバレ
2025年11月14日
このレビューはネタバレを含みます▼ 無料キャンペーンで1巻を読んでみました。
最初の印象は、絵があまりBLぽくなくてハマれなさそうだなあというものでした。
しかし、読んでいくうちにトウテムポール先生独特の世界観に惹き込まれ、ゲラゲラ笑ったりホロッと泣きそうになったり、気がつけば無料期間中に読み終わらなかった残りの巻を大人買いしていました。
読み終わった今、感動で泣きそうです。

絵で敬遠しそうになっている方、舞台となっているテレビ業界にあまり興味ない方、そこで読まずに終わるのは本当にもったいないです!!
お仕事だけではない、BLだけでもない(なんと最終巻はラブシーン全くなし!笑)、綺麗事だけでもない(登場人物の中で宮坂の家族がいちばんクズという絶望)、でも、笑えて温かくて優しくて人間愛にあふれた物語がここにあります。

ギャグとシリアスの絶妙なバランス、そして、どんなに深刻でクズな展開でもちゃんとカタルシスが用意されている明るさが、先生最大の魅力ですね。

矢野さんはとてもわかりにくい性格で愛情表現も下手ですが、優しく人間愛にあふれた宮坂と一緒に過ごすうちに、普通に愛情表現ができる人になっていきます。
宮坂も矢野さんと暮らすことで、自分の気持ちに正直に生きることができるようになるのです。

2人が名実ともに結ばれ大きな家に引っ越してハッピーエンドかと思いきや、まさかこんなことになるとは⋯という、およそBLとは思えない展開も待っています(笑)
そして詩さんが、この作品の陰の主役では!?と思うくらい神がかり的なグッジョブを何度も何度もかましてくれます。
最後は、宮坂の今までの苦労が一気に報われる神展開で、涙なしでは読めません。

好きなシーンはたくさんありますが、本当にツラくてどうしようもない時は逃げればいい、というメッセージを感じる場面がいちばん心に響きました。
誰しもツラくてどうしようもない時ってあると思うんですが、そこから逃げる勇気を持ったら、意外と吹っ切れて前進できることもあるんですよね。
自分が壊れる前に、皆さん逃げましょう!

この作品でいちばん好きな言葉は「愛があればいいのだ」。
そう、愛さえあれば(恋愛という意味だけでなく)なんとかなるんだよなーと、読んでいて心が軽くなります。

このようにたくさんの素敵が詰まった作品なので、読んで損はありません!というか、逆に読まないと絶対に損します!!
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