青と陽炎
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青と陽炎

ドンドン

どちらを選ぶにせよ、納得感ある結末を期待

ネタバレ
2025年11月17日
このレビューはネタバレを含みます▼ 大前提としてめちゃくちゃ面白いですし、ただ可愛い、ドキドキするってだけじゃなくて、三角関係の醍醐味である「どっちに転ぶんだ!?」というハラハラ感も味わえます。

ただ、3巻までの流れを鑑みるに北斗が強すぎて、鷲介を選ぶ納得感が足りてないかなと。
手出しはしない、という線引きはあるものの真琴は北斗の告白にOK出しましたし、鷲介ルートになるなら例え宙ぶらりん気味であっても北斗と「付き合ってる」という体にするのは行き過ぎかなぁと。
真琴と鷲介の間に幼馴染エピソードが沢山あったとしても、読者にとっては幼馴染であるという「設定」としか知りえないんですよね。最初の真琴→鷲介の矢印も、そうなった経緯がエピソードとして深く語られたわけでもないので、「幼馴染だから」好きという印象になってます。つまり、好きになり得た鷲介の魅力がぶっちゃけあんまり伝わってこない。(成長してていいキャラとは思うが、それと好きになり得た魅力は別物)
その分、北斗は7話と8話のエピソードが強すぎる。こりゃ惚れてもおかしくないわって感じ。ですが、鷲介にはこれに匹敵するほどのエピソードがまだない。
それで真琴が北斗との関係を解消して「やっぱ鷲介の方が好きだわ!」となるのは納得感が薄く、真琴のキャラクター性ひいてはストーリー展開に少々疑問が残りそうだなと。これで振られたら鷲介に負けたというより、「幼馴染という設定」に負けたという印象になります。少なくとも現時点では。

そのまま北斗ルートに行くぶんには何ら問題ないですし、鷲介ルートに行くとしても鷲介を選ぶだけの納得感を4巻で提示出来れば全然いいんですけど……できるのかな。北斗の上がりきった株を下げるようなことはして欲しくないんですが、鷲介の現時点での印象は真琴も言ってましたけど、「今更」なんですよね。
やはり鷲介は1度真琴を振ってて、北斗と真琴は一応付き合ってる(?)という関係性が崩すには磐石すぎる気がします。それこそ、「幼馴染だから」結局忘れられないとかにならん限り。でも、そうなると現状のエピソードでは納得感が足りないという話でした。

このまま順当に北斗は真琴と付き合えるのか、鷲介は幼馴染以外で「今更」を覆せるほどの魅力を真琴に示せるのか。そこら辺が4巻でどうなるか楽しみです。北斗を選ぶにせよ鷲介を選ぶにせよ、納得感ある結末を待っております。
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