このレビューはネタバレを含みます▼
愛を知らない獣人αと孤独なリーマンΩの恋模様 192頁 星☆3.8
妙齢の棚尾誠一郎(たなおせいいちろう)に10億円の宝くじが当たる。飲み会の帰り、酔った誠一郎は公園のベンチで寝ている獣人に話しかける。「一緒にメシでも食わないか」獣人はオオカミのαだった。
肉を頬張る獣人に誠一郎は1億円を提示する。白い体毛の大きな体躯を持つ露明(ろあ)は粗暴な見た目。波乱な出だしのわりに裏腹な(ハードな濡れ場はご褒美さ)まっとうな獣人だった。露明の生い立ちは寂しい。その環境で穏やかな精神性と健全な態度に驚く。
ひきかえ紳士そうにみえる誠一郎は”支配されたい”欲望を心奥底に潜ませていた。獣人をナンパして家に連れ込むアクティブさには、おやや?である。
ほんわかした雰囲気でありながら妙に色気が入ってる天然キャラが登場する由元先生の作品。確かに誠一郎は優し気なおじさまキャラ。しかし「露明ともっとくっつきたい」とかいっちゃう?無自覚なの?それ上級者テクニックだよ。次第に露明が癒されいく。あれ?どっちがご主人様だった?
結局のところ1億円はなんだったか。それは公園のお持ち帰りの金額?(思わずすごいプレイが繰り広げられるかと期待してしまった。すまん、爛れてた)年若の獣人αを囲いたかった?なら公園でなくてもよくないか?そうか、誠一郎が露明に話しかける勇気の額かも。美しくたくましい獣人とは一生縁がないと思っていたなら。
そうして露明は誠一郎を見下ろしながら、眼差しで甘えていいぞといっている。甘やかしたいって愛だよね。これは勝ち組みおじさまの恋物語