やましさの熱に抱かれて 【電子限定特典付き】
」のレビュー

やましさの熱に抱かれて 【電子限定特典付き】

ウノハナ

つまづいた男たちの闘いと再生と涙💧

ネタバレ
2025年11月27日
このレビューはネタバレを含みます▼ 脳外科医、奥村忍×MR、天地東湖
初っ端からドイツです。クリスマスマーケットですよ……素晴らしく時期がマッチングしました。発売日がいつの季節になるかなんてわからないのに、これは強運。ちょうど街もクリスマスらしく彩られてきています。

表紙は上巻が「忍」下巻が「東湖」です。
ふたりとも偶然ドイツで2年過ごし、この冬日本に帰国するタイミングで出会います。お互いが運命の一目惚れです。帰国まで恋人を演じた2人は別れ際で日本でも会おうと約束を交わします。実は、この日すでに「事件」が起きています。東湖は忍に隠し事をし、それが明るみに出れば2人の関係は終わるかも、というストーリーです。ウノハナ先生は新作で全く違うテイストのお話を描いておられますが、こちらは「塩分〜」に似た、苦しさを含む恋愛模様が綴られます。

ドクターである奥村の教授選とそこにまつわる男たち、そして東湖とのかかわりと、兄の死がドラマチックに展開されていきます。
天才というのはなにか欠けたものがあるのでしょうか。忍は東湖との会話をあまり覚えていません。なのに、嫌みなくお話が進んでいくんです。これは、仕事を理解している東湖のなせる技なのかもしれませんね。
現実的な話ですが、医療関係者のかたは失恋したからといって軽く仕事も休めないし、まして落ちこんだからって、失敗なんてできませんし、しませんよね。
冷静に考えると、なんてすごいことなんだと思います。芸能界の神○○輝さんもそうでしたけど、心のコントロールを脳で置き換えているのか?とすら思えます。私もタフティやったら、忍脳になるかなと思ったり(笑)
だからこそ、忍というドクターの欠けた部分が、とても魅力的に映りました。東湖の我慢強さも良かったです。

惜しいのは、せっかくのベッドシーンが白塗りで、思わず先生の作品に18.禁ないか確認しにいっちゃいました。すごく沢山あるし、素敵なラブシーンなのに、修正かけすぎでしょ、と。

かなりドラマチックで、映画をみているような展開とセリフです。ラストもハリウッド脚本展開で締めくくられています。
お仕事BL好きなら、最高の1冊の仲間入りするはずです。ぜひ読んでみてください。
いいねしたユーザ9人
レビューをシェアしよう!