還らずの夏【特典付き】
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還らずの夏【特典付き】

暮田マキネ

しばらく浮上できなかった…

ネタバレ
2025年12月5日
このレビューはネタバレを含みます▼ 今まで読んできた短編集でNo.1は?と聞かれればすぐに思い浮かぶ私の中で突出している作品があるのですが、こちらはそれと並ぶ短編集であったと、ここに宣言しておきます。
どれもこれも、本当に全ての話がそれぞれ1冊描けるくらいの重厚さで、全167ページというのが信じられないくらい満足感ありました。
10年近く前の作品ですが既に暮田ワールド全開です。あ、でもオメガバースを扱った「不機嫌なつぼみ」「咲き初めの焦燥」は、先生がオメガバを!?という意味でちょっと意外でしたね。雰囲気も他の3話に比べると軽め甘めでホッと一息つける感じでした。
これが入っていたことでますます切なさ、闇が際立つ他3話よ…。

「還らずの夏」
1話目からこのやるせなさ。悲しい、無念…どんな言葉も上滑りする。ラスト奈津と共に号泣する私を、「永遠の夏」で更に打ちのめしてくるとは勘弁して先生(泣)
どうにもならないから苦しくて、皮肉なことに珠玉の作品となるのです。

「いちばんしあわせ」
この結末が一番幸せと言える伊智の悲しさ。ただずっと伊智と一緒にいたかっただけの結。後悔するかもしれない、でもそうなった時は既にこの世にいないであろう結。可哀想なんてもんじゃない…(泣)

「All things I know」
ファザー・ファッカー未読です。この短編集もだけど、なぜ未読なんだろう。暮田先生は作家買いさせてもらっているのにまだまだですね。
なんとまあ複雑な家庭環境。ラストの闇深さにゾッとして終わったのだけど、最後の描き下ろしでクスッと笑わせてくれたので少し救われました。
このようにオメガバCP以外は切なく、苦しく、重いです。特に表題作は沈みましたね…。でも私は暮田先生のその作風を愛してやまないのです。やはり傑作だったとしか言いようがありません。
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