チ。―地球の運動について―
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チ。―地球の運動について―

魚豊

真理を追求するということ

ネタバレ
2026年1月14日
このレビューはネタバレを含みます▼ 中世末期ヨーロッパの架空の宗教、架空の国を舞台にした歴史ファンタジー作品です。が、どう考えても特定の宗教と国が想起されます。
とても重厚なストーリーで色々考えさせられますが、自分は歴史について語るほど詳しくないし宗教について論じるほど知識もない。気軽にレビューはできないなと思っていました。でも、この作品の内容が史実に即しているか否かは別にしても、古今東西 宗教を原因とした争いは枚挙にいとまがない。
宗教とはこんなにも人を残酷にさせるのだろうか、教義を守るにはこんなにも他者を排斥しなければならないのだろうか、そして真理を守るためにどうしてそんなにも命を掛けられるのだろうか・・・。
毎日をのほほんと生きている自分には、真理を探究し後世に繋いでいこうとする人たちの情熱と執念を素晴らしいと思うと共に怖ろしくも感じました。
自分たちが今当たり前のように享受している知識も技術も思想も宗教も、こんなふうに信じて権力と戦ってきた人達が流した血の上に成り立っているのだろうな。
今もこの先も、権力によって真実が曲げられることがないとも限らない。色々と考えさせられる現代にも通ずる普遍的で深い作品だと思いました。
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