王国物語
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王国物語

中村明日美子

圧巻。タイトル通りの王と国の物語

ネタバレ
2026年1月15日
このレビューはネタバレを含みます▼ 中村先生の作品がBL含め大好きで、青年誌連載のこのお話もずっと読んでいました。
圧巻の一言。最終巻の最後を含めると恐らく3世代?にわたる砂漠にある王国の物語と、ウマや宗教を初めとした世界観の作り込みが本当に素晴らしいです。
皆幸せになれたはずなのに、ほんの少しの誰かの悪意で滅茶苦茶になってしまう。
でもキャラの生い立ちを知るとそうなっちゃうよねとも思うし、結局この終わりしかありえない。
だってハンが生きているうちに水は枯れてしまったのだから……という納得感と切なさがいっそ気持ち良い。
最後の最後に出てきたどこかの王国の王太子とオルガは、ハンの子孫であるアードルテかアーダルテの血筋で、生まれ変わった月光王とオルガであってほしいと願ってしまいます。
追記:繰り返し読んでいるうちに、今更ながら最初は切ない別れだと思った1巻のアードルテとアーダルテこそ、前世代の呪縛から逃れた最高のエンディングだったんだ……と気がついて震えてます。
他者に優劣を決められ兄弟のために死を選んだ方と残された方のシャオとダオ、愛する妻の子供は複雑な思いを抱いている弟の子ではないかと凶行に及び子供を失った月光王……親世代と同じ轍を全て振り払って、裏切った兄弟と共に生きることを選んで国から逃げたアーダルテ。家族の幸せを願って別れを選んだアードルテ。
この別れがあったからこそ、最終巻の最後の王太子とオルガが出会えたんじゃないかなと思えて……すごく美しく優しい物語だったと改めて思いました。
そしてアーダルテの処刑直前に銃を撃ったのは、処刑を止めようとしたダオなんじゃないかなとまで妄想しております。
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