このレビューはネタバレを含みます▼
復讐劇と見る方もいると思いますが、私はこれは復讐劇ではないと思います。主人公のアリアレインはそんなちっぽけな事はみていないのだと。
弟が彼女の本質をズバッと語っていますが、そう、アリアレインは王の器。婚約者であった王太子も良き王になる資質はあったと思うけれど、いかんせん王太子に生まれた事で、本人気付いていませんが、胡座をかいていたのですね。
この物語は、「追放」という処分がよくある「追放」とは違い、とても重い。追放=死なのですから。追放処分された者を誰も助けてはならず、何をしても良いって酷過ぎます。なので、追放処分された者はなぶり殺しに合うか野垂れ死ぬって。
それを処分を言い渡された時にもぎ取った3日の猶予と己の頭脳で切り抜けるアリアレイン。まさに侮ってはならない相手だった訳ですが。
そもそも「追放」がそれだけ重い処分なら、婚約破棄は理解出来ますが、なぜ「追放」までしなくてはいけないのか。それだけでも王太子には王の器ナシです。自分はただ王家に生まれただけで、下手に少し頭が良かった為に自惚れて。結局重臣達に良い様に操られている事にも気付かず、自分の目では何も見ていない。そんなではアリアレインに太刀打ち出来る訳が無い。アリアレインを蹴落し新たな婚約者となった令嬢も、王妃にしてはならないって、結局表面しか見ず、アリアレインの本質は何も知らない。もしアリアレインの事をキチンと見ていれば、あれ程使用人に愛されている人が、ただ聡明なだけではなく、キチンと情にも厚いと分かるはず。
周りを巻き込みはしたけれど、苦難を乗り越え生ききったアリアレインは見事でした。アリアレインを捨てた王家は結局なし崩しに崩壊。アリアレインの苦難を思えばその後の王家側をぬるいと思う人もいるとは思いますが、これは復讐劇ではなく、アリアレインの矜持の話なので、どうでも良いのです。
全3巻でダラダラ続く事も無く、丁度良かったです。作者さまに拍手。