泣いた赤おに(小学館文庫)
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泣いた赤おに(小学館文庫)

浜田廣介

名作だけどひねくれ者は赤おにに腹が立つ

ネタバレ
2026年1月30日
このレビューはネタバレを含みます▼ 23話入りの童話集。
巻頭作をはじめ、いくつかは幼少期に読んだことがあり、内容紹介文に「日本のアンデルセン」という言葉があるのも納得の作風。
作品として良い部分も、私が感覚的に苦手な部分も、確かにアンデルセン作品に近しいものがある。

表題になっている『泣いた赤おに』についての覚書レビュー。
表題作、幼稚園の頃に絵本で読みました。
ラストで泣きながらも、赤鬼が泣いてるのにはなんとなくムカついたひねくれ者です。
当時はよくわかっていなかった「なんとなくムカつく」を、繰り返し考えて行き着いた現在の感想。
赤鬼は、青鬼という得難い親友を持ちながら、自ら手を離した愚か者だと思っています。言うなれば赤鬼はキョロ充……おとなしいグループに居るのに陽キャの華やかさに憧れて、本当の仲間を粗末に扱うという。陽キャ仲間に入れてもらうために親友を差し出し、お茶とお菓子を貢ぎ続ける赤鬼、哀れですらある。
やられるフリをする、という案は青鬼の発案ではあるけれど、赤鬼はごちゃごちゃ言いつつも結局実行してしまうんですよね。それだけはできない、って拒否することもできた。この案は、青鬼が赤鬼に与えた最後のチャンスだったんだと思います。
赤鬼みたいなタイプって、芯がない。こういうタイプは裏切るし、その裏切りを正当化したり悲劇のヒロインぶったりする。こういうタイプと友達にならないようにしよう、という教訓が得られるお話(青鬼視点)だと思っています。
もしくは、優先する相手を見誤るな(赤鬼視点)。

人間に憧れて心が離れていく親友を見ながら、泣きたかったのはずっと青鬼の方だったよねえ。
青鬼は、きっと別の山奥で別の鬼と出会い、ひっそりとしあわせに暮らしていると信じています。
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