愛と呪い
」のレビュー

愛と呪い

ふみふみこ

愛は呪い。

ネタバレ
2026年1月30日
このレビューはネタバレを含みます▼ 親から子供への性的ぎゃくたいほど罪深いものはないと思う。なぜなら愛の結晶として生まれたはずの子供を、性の捌け口に使うことで、その生命の根幹を真っ向から否定することになってしまうから。そして二重に罪深かったのは笑って見ていた母親。この作品ではともすれば父親よりも母親の方が罪深いように描かれてます。

それにしても【愛】という言葉はこれほどまでに自身に都合が良いものか。全てをオブラートに包んでそれらしく収めてしまい、自分の中にある罪科の免罪符になり、それ以上考えることを止めてしまう。母親の最後の告白は、一読者の私でさえ、首を絞められ、下腹部に鈍痛を感じるようでした。

そして最後、いったい愛子の怒りはどこにいったのか。矛先はどこに収まったのか。正解が出せないまま、分からないまま、それでも生き続ける辛さと続いていく毎日に、愛子の覚悟と愛子の虚無感、その両方を感じました。辛いけど読んで良かった作品です。
いいねしたユーザ3人
レビューをシェアしよう!