「あの子の子ども
」のレビュー

あの子の子ども

蒼井まもる

母目線

ネタバレ
2026年2月10日
このレビューはネタバレを含みます▼ すごく良かった。いや、高校生で妊娠することはもちろん良くない。親に扶養されている身で子供を作ったりするべきじゃない。でももし万が一そうなってしまったら…。福と宝の葛藤と成長、そして家族の気持ちが痛いぐらいリアルに描かれています。妊娠に戸惑いながらも母になる事を決意し悩み苦しみながらも成長していく福、常に福の事を一番に考え福と赤ちゃんを守るために全力を尽くす宝、福を全く責めることなく常に寄り添い励まし続けた母、娘の妊娠を受け入れられずなぜか悪者みたいになってしまう父、妹の事を大切に思っているのに言葉と態度がきついせいで伝わらない兄、息子の選択を拒絶し勘当するも本当は気にかけている宝の母。誰1人間違ってないんですよね。中高生の子供を持つ母として、福の母のように責めることなく受け入れ寄り添うことができるのか、また、宝の母のように完全に突き放してしまうことができるのか、自問しながら読みました。多分、宝の母のように突き放してしまう方が絶対に辛い。だって心は突き放せないから。あと、宝みたいにいい子だったらいいけど…というのもありますね。テーマは重いけど、この先生特有のどこかほのぼのした空気感や、景色や表情や沈黙で何かを語るような描き方で、胸にじんわり染み入るような柔らかく温かいストーリーになっています。
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