鬼と天国 【電子限定特典付き】
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鬼と天国 【電子限定特典付き】

お吉川京子/阿賀直己

完全な救済まであと少し

ネタバレ
2026年2月14日
このレビューはネタバレを含みます▼ 久しぶりに再読。めっちゃ好きな作品なのにレビュー書いてなかった。

人目を気にして目立たないように生きてる国語教師の青鬼とつかみどころがないようでいて愛がわからない養護教諭の天獄。
子供の頃の家庭環境によって人格形成されてきた二人。
やる気がないように見える青鬼は世間体を気にして厳しく育てられたトラウマが原因で目立つ事からの逃避あるいは燃え尽き症候群みたいなものなのかな。でも、天獄に翻弄されているみたいだけど最後までは言いなりにならない強さのようなものがあると思う。
天獄は人の弱点や隠している本性に敏感でそれを引き出そうとする。一種のサイコパス気質なのだと思う。ただ、歪んだ独占欲が根底にあって、他人のものを奪ったり自分に夢中にさせたりしたらそれで終わり。手に入れたら興味を失うんだと思う。だから今まで本気になることは無かった。
天獄のしてることは同意のないSMでほぼ犯罪レベルだし地雷な人もいると思う。でも、青鬼は心の底に隠してた柔らかい部分を引き摺り出されて蹂躙されても芯の部分はブレていない感じがして本当は強い人なんだなと思いました。
体の快楽を知って好きになる・・なんて単純なことじゃなくて、青鬼は天獄の面倒な性格も子供っぽさも全てわかった上で好きになった。天獄は今までとは違う自分の思い通りにならない青鬼だから執着した部分もあると思う。でもそんな弱さも含めて受け入れるような青鬼の包容力。相手が青鬼だから天国も変われるしうまくいくんだよね。
天獄の完全な“救済”にはあと少しかな。そこは続編の「再」までお預けです。
トラウマ、SMと描写もテーマも結構ヘビーだけど、クスッと笑える部分もある。でもそれで茶化したりテーマがぶれたりもしていない。すごくいい作品です。
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