果ての星通信
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果ての星通信

メノタ

SFファンタジーかつ、がっつりSF★10

ネタバレ
2026年4月2日
このレビューはネタバレを含みます▼ ファンタジーであり、スタニスワフ・レムの『泰平ヨン』っぽくもある。そんな風に読んでいたのですが上の人が出てきた辺りで印象変化。これはなかなかのSFでは?

モスリに捕らわれてマルコがする事になった仕事は星を創ること。しかも、どんな星になるか意のままに、文明設定まで出来るというのだからそれはもう創造主の仕事です。いやむしろ作家が、物語世界を創る事に近い。つまりモスリはファンタジー制作部。(コピペ製法笑) この作品は、
マルコ(マルコ作星々の創造者)←上の人(マルコ他の創造主)←作者(この物語において全知全能の創造主)、という構造を持っている。
作者は上の人の、上の人というわけです。
マルコが上の人に噛みつくセリフはそのまま、この物語の作者への呪詛です。勿論言わせているのは作者だけど。
創造主と被創造者の対立という話はそれなりにあるけれど、マルコの仕事を作者の補佐のようなものにする事によって、作者の創造主性が際立っています。(マルコ=上の人=作者 =であり←である)

マルコの苦しみは時折描かれます。恋人は10年待ってくれるのか。作者は遊園地の星の話などで揺さぶりをかけたり、手足を奪ったり、実にエゲツナくマルコを苦境に立たせます。
理不尽! 不条理!
しかし、マルコの10年はそもそも読者の娯楽の為。この物語を好んで読んでいる読者も、マルコ達からすれば上の人と実は同じなのです。(読者巻き込み)
最終巻のあとがき漫画で局長が上の人に言ったセリフ、
「あなたはそれをわかりたいと寄り添う努力もせず
長いことぼんやり見てるだけの存在だ」
二次元の局長が、次元を越えて私に言葉を投げつけてきたと感じて正直ビビりました。

次元は少なくとも11ある事が実験で確認されています。
三次元の我々は、四次元を見る事が出来ず、想像する事すら困難だけど、その逆は可能。二←三←四←
我々の住む世界、宇宙が上の次元の人の実験シミュレーションだったり、それこそモスリのようなものだったりする事は、さほど荒唐無稽な話ではない…
←マルコ←上の人←作者・読者←さらに上の人がいるかも?
と次元に思いを馳せられる、見事な構造のSF作品でした。…ん?ここまできてなんだけど旧約聖書だわ、これ。 わっ凄い。お見事。最高のSF。星10つけたい。

マルコ、局長ゴメン!面白かった!!それから私もマウーとハグしたい!!
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