夢の終わりで待ち合わせ
」のレビュー

夢の終わりで待ち合わせ

仁嶋中道

優しい優しい話でした

ネタバレ
2026年4月22日
このレビューはネタバレを含みます▼ 新刊作家様買いです。
今作も素晴らしかった…っ!

幼馴染の旭人と朔。朔の引っ越しで中学と高校の間離れていた2人が大学で再会する話です。
小さい頃の朔の、何とも庇護欲をかき立てられる可愛さときたら。でも朔はただポワ〜ンとしているだけではなく周りがちゃんと見えていることに旭人は気付いていて一目置いており、旭人だけが一方的に守っていたわけではないのが私が深く感動した点です。この2人こんな小さいうちから何て賢く優しい子たちなんだろう。朔の実父がそれに気付けなかったことが残念でたまりません。反対に旭人と父との関係は血の繋がりを超えて温かく、その対比も興味深かったです。

6年ぶりに再会した朔は不眠症となっていた。
私も経験ありますが寝られないって地獄の苦しみなんですよね。朔はそんな状態が半年以上も。辛そうな朔を見ていると当時を思い出し、読んでいて動悸がしてしまいました。
改めて思ったのですが、手ってすごいと思う。私は未だに母が握ってくれた以上のおにぎりに出会ったことがありません。旭人が朔の背中を手のひらでポンポンする時、彼のありったけの愛が朔に注がれるのが見えるようでした。遡れば旭人の父も同じように愛を注いでくれていたのでしょう。その温もりはどれだけ勇気や自信を与えることか。相手が好きな人であればあるほどこの効果は絶大のような気がします。
何とか治してあげたいと思う旭人の愛、小6の別れの時キスした理由、同じく小さい頃から旭人を好きだった朔、2人の間には愛が溢れていますが、勘違いやタイミングの関係で両片想いってのがもう焦れ焦れさせてくれる。
主に2人だけにフォーカス当てているので、他の登場人物たちはさらっとしたもんです。それぞれの友達は簡潔に『理解ある優しい人』として、後藤は『一昔前のスポ根漫画に出てきそうな圧の強い男』として描かれています。こちら腹を割って話せば一発解決という手間いらずの案件でした。包み隠さず話すことが最良の結果に繋がった、もう1つのもっと大きな山場が、キッチンでの旭人と朔でしょう。うううよかったよ〜(涙)
読後は心ぽかぽか。仁嶋先生の作品はいつもそう。各扉絵も2人が共有している温かい思い出に涙出そうになるほどよかった。今回も優しさをたくさんありがとうございました。ホットミルク飲みたい😌
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