人魚心中【コミックス版】
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人魚心中【コミックス版】

鹿島こたる

漆黒の美。怪奇幻想譚

ネタバレ
2026年5月10日
このレビューはネタバレを含みます▼ 扉絵でいきなり度肝を抜かれます。男の背中に彫られた菩薩の刺青と、絡みつく人魚の鱗の怪しい輝き。つくづく、日本のコミックスってものすごいレベルだよなあ…
古今東西、人魚の物語は数多ありますが、本作の結末がとても好きでした。なんという甘美な呪い。純粋なるその存在のみで、人を狂わせる人魚の恐ろしさも特級。狂わされていく人間の描かれ方も、様々な立場(主人公のヤクザ・水島、人魚の世話係・佐々木、特攻船に乗せられた画学生・矢野)における業(ごう)の表現に納得。読み応えありました。
そしてやはり、鹿島先生の耽美極まる絵、だからこその迫力。屍肉を喰らうような強烈なシーンも、物語全体の幻想性に溶け込んでいる。個人的に、人魚が水島に呪いをかけるシーン(海の景色)には本気のため息が出ました。
引用されている火野葦平の短編小説『人魚』もぜひ併せて読まれることをお勧めします(青空文庫で読めます)。マジで最高のペアリングだった。
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